前回の記事では、既存の連続増配ファンド(投資信託)が抱えるコストや「おじいちゃん株化」の罠を回避するため、私が自作した「10年連続増配・精鋭20銘柄ポートフォリオ」を公開しました。
しかし、投資歴の長い方なら、あの20銘柄のリストを見て強い違和感を覚えたはずです。
「時価総額加重のルールなら、なぜトップに君臨するはずの『三菱商事』がないのか?」 「いま話題の『村田製作所』や『レーザーテック』が入っていないのはなぜか?」
実はこれには、私が自分に課している「3つの厳格な裏ルール」が関係しています。 今回は、この自作システムを強固にしている投資規律の裏側と、「あえて新NISAを使わない理由」について解説します。
裏ルール①:大人の事情による「インサイダー制限銘柄」の除外
まず、商社セクターにおいて絶対に外せないはずの「三菱商事」が含まれていない理由。
これはズバリ、 本業のコンプライアンス(法令遵守)による大人の事情です。
私はメーカーで研究職として勤務している関係上、インサイダー取引防止の観点から、一部個別株の売買に厳格な制限がかかっています。
投資家としてルールとコンプライアンスを徹底するため、このポートフォリオからは三菱商事をはじめとする該当銘柄をあえて除外せざるを得ないという、サラリーマン投資家ならではのリアルな事情があります。
なお、三菱商事本来のウェイト(投資比率)に関しては、 ルールを満たす他の連続増配銘柄に時価総額比率に応じて機械的に按分(リバランス)し、システム全体に影響が出ないよう論理的に処理しています。
裏ルール②:バブっている銘柄を弾く「利回り1%フィルター」
次に、連続増配の条件を満たしているはずの「村田製作所」や「レーザーテック」が採用されていない理由です。
時価総額加重の最大の弱点は、
「今まさに過熱してバブっている(割高な)株」を高値掴みしてしまうこと。
これを防ぐため、私は 「新規組入時は、予想配当利回りが1.0%以上の銘柄に限る」 という極限のフィルターを設けています。
村田製作所やレーザーテックは素晴らしい企業ですが、現在は株価が過熱して予想配当利回りが1%を切っているため、 「入り口」のゲートで機械的にシャットアウトしているのです。
ただし「入った後」は徹底的に波に乗る
ここで重要なのは、 入り口は厳しくする一方で、一度ポートフォリオに迎え入れた銘柄に対するルールは全く異なる点です。
このルールは最も株数を買う必要があり、最もポートフォリオへのインパクトが大きい組み入れ時に高値掴みをしないための工夫です。
運用ルールまとめ
| 区分 | 基準 | 運用のねらい(ロジック) |
|---|---|---|
| 新規組み入れ時 | 配当利回り 1.0% 以上 | 明らかなバブル銘柄・過熱株の「入り口」での高値掴みをシャットアウト |
| 組み入れ後(保有中) | 利回り1.0%を切っても除外しない | 株価上昇(含み益の拡大)の恩恵を、途中で売らずに最後まで享受 |
| リバランス・買い増し時 | 利回り1.0%を切っていても機械的に買い増す | 時価総額加重の基本に従い、勢いのある「強い銘柄」の成長に愚直に乗る |
すでに保有している銘柄の株価が上がり、結果的に利回りが1%を切ったとしても、それを理由に売却することは絶対にありません。
それどころか、毎月の積立やリバランスの際には ルール通り淡々と買い増しを実行します。
入り口の網だけ極限まで厳しく、通過した優秀銘柄には感情を挟まず資金を投じ続ける。 これが私のシステムトレードの核心です。
裏ルール③:なぜ「新NISA枠」ではなく「特定口座」なのか?
そして最後の裏ルール。 このポートフォリオは、すべて特定口座(課税口座)で運用しています。
「非課税枠を使わないなんてもったいない!」と思われるかもしれませんが、これこそが私なりの論理的な最適解(アセット・ロケーション)です。
新NISAの鉄則
「売却による枠の消費を気にせず、死ぬまでガチホできる究極の放置資産を置くこと」
我が家のNISA枠には、
- オルカン(全世界株式)
- DGRO(米国増配ETF)
といった、世界最適に自動アップデートされる資産を全振りしています。
一方で、この自作の日本株ポートフォリオは、将来的には
- 増配ストップ銘柄の除外(売却)
- 新規銘柄の追加
といった定期的なメンテナンスが発生します。
NISA枠で個別株の売買を繰り返すと非課税枠の管理が煩雑になるため、リバランスを伴うシステム運用は、特定口座で淡々と回すのが最も合理的。
次回予告:80銘柄への拡大計画と「出口戦略」
今回は、私のポートフォリオを支える3つの裏ルールをご紹介しました。
次回(最終回)は、今後のロードマップについてお話しします。
現在は20銘柄ですが、ゆくゆくは 日本の10年以上連続増配銘柄の時価総額の96%をカバーする「80銘柄」まで拡大し、俺的・連続増配TOPIXを完成させる計画です。
さらに、
- 12月の損出し節税
- 増配ストップ時の売却ルール
といった、個別株だからこそできる運用・出口戦略の全貌を公開します。
お楽しみに!
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