「子どもの教育資金のために学資保険で備えよう。」それって本当に合理的な選択なのでしょうか?
私は、学資保険は時に、終身保険よりも「タチの悪い」金融商品なのではないかと感じています。
今回は、学資保険と、掛け捨ての生命保険+投資を徹底比較し、どちらが真に合理的な選択かを数字で示していきます。
そして、私が学資保険が終身保険よりもたちが悪いと考えている理由についてご説明いたします。
初めに:学資保険の利回りを計算してみた
まず、ソニー生命の学資保険(30歳男性・0歳児・18歳で200万円受取)をモデルにします。
- 月額保険料: 8,300円
- 18年間の払込総額: 1,792,800円
- 18歳での受取額: 2,000,000円
- 年利(複利)計算:約 1.2%
銀行預金よりはマシですが、18年という超長期の資金拘束を受ける対価として、皆様はどう感じるでしょうか?私には大きすぎる流動性リスクを取ってまで欲しい利回りとは到底思えません。
「1.5倍の保障」をつけながら「1.5倍の資産」を築く
ここで、同じ30歳男性が「はなさく生命」の定期保険(300万円保障・20年満期)に加入したとします。
- 定期保険料: 月589円
- 投資への差額: 月7,711円(これをACWI=全世界株式インデックスへ)
この条件で、新NISAを用いて年利 6%(インデックス投資の現実的な期待値)で運用すると、18年後にはどうなるか。
※長期平均の期待値であり、投資には元本割れリスクもあります!
| 項目 | 学資保険(ソニー生命) | 定期保険 + インデックス投資 |
| 月々の支払合計 | 8,300円 | 8,300円 |
| 万が一の死亡保障 | 200万円 | 300万円(1.5倍!) |
| 18歳時点の資産額 | 200万円 | 約294万円(1.5倍!) |
ここですでに約100万円(正確には約94万円)の差がついています。
保障を1.5倍に手厚くしたにもかかわらず、手元に残るお金も1.5倍になる。この結果が示すことは学資保険とは利回りが低い投資信託と保障の薄い保険のパック商品だということです。
「生命保険料控除」の影響は??
「でも、生命保険料控除があるから節税になるじゃないか」という反論もあるでしょう。
しかし、計算をしてみるとその影響は驚くほど微々たるものです。
所得税率20%の人が「一般生命保険料控除」をフルに活用したとしても、戻ってくるのは所得税・住民税合わせて年間最大10,800円程度です。
18年間の節税総額: 10,800円/年 × 18年 = 194,400円
先ほど算出した運用の差額(約100万円)と比較してみてください。
約100万円の機会損失に対し、たった19万円の還付。
この差をひっくり返すには、あまりに「スズメの涙」すぎます。節税という言葉の響きに踊らされて、本質的な利回りを無視するのは本末転倒です。
しかも、すでにほかの生命保険に加入している方は還付枠を食い合います。
死亡時の「流動性リスク」:終身保険よりもタチが悪いと考える理由
学資保険の「タチの悪さ」が際立つのは、万が一(契約者の死亡)が起きた時です。
親が亡くなった場合、保険料は免除されますが、2,000,000円が受け取れるのは「当初の満期(18歳)」までお預けです。今すぐ葬儀代や生活費が必要な時に、一円も引き出せません。
対して、定期保険なら即座に300万円がキャッシュで入ります。 さらに積み立てていた新NISAの資産も、必要ならその場で売却して現金化できます。
死亡時の流動性リスクという観点では、学資保険は終身保険よりも使い勝手が悪い商品なのです。
まとめ:「子どもができたら学資保険」はもう終わり!
投資商品の数も少なく、投資情報も今ほど簡単に手に入れられる時代でなかった時には確かに学資保険がファーストチョイスになり得ました。
ただし、様々な情報が簡単に手に入る現代においてその常識はもう通用しません。
学資保険は、「自分で貯金ができない」という一点を解決するためだけに、多大なコストを支払う商品となっていると考えています。
「保障が少ない・増える額も少ない・いざという時に使えない」
「子供のために」という親心を、金融機関に安く買い叩かれてはいけません。合理的に「保障」と「運用」を切り分ける。それだけで子供の豊かな将来を100万円分用意してあげられます。
※投資は自己責任でお願いいたします!
出典
本記事で使用した保険料は、以下の保険会社公式シミュレーション結果に基づき算出しています。
・ソニー生命保険株式会社「ソニー生命の学資保険」保険料シミュレーション
・はなさく生命保険株式会社「はなさく定期」保険料シミュレーション
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